「天井にシミができたので、屋根を直したい」。
雨漏りのご相談で、いちばん多い入り口がこれです。
ところが実際に点検に上がってみると、原因が屋根ではなかったケースが珍しくありません。 ベランダの床、外壁の目地、窓まわり、換気フードの穴。雨の入り口は、屋根以外にもたくさんあります。
そして雨漏りでもっとも多い失敗は、原因と違う場所を直してしまい、お金を払ったのに止まらないことです。
この記事では、天井や壁のシミの出方から雨の入り口をどう絞り込むかを、箇所別に整理します。姫路市の塗り替えの窓口・外壁塗装専門店パワーペイントが、現場でお見かけする実例をもとにお伝えします。
この記事の目次
- ・雨漏りは「落ちてきた場所」と「入った場所」が違う
- ・シミの出方で原因を絞り込む早見表
- ・原因1:屋根(瓦のずれ・棟の浮き・谷板の穴)
- ・原因2:ベランダの床(意外に多い第2位)
- ・原因3:外壁のひび割れとコーキングの切れ
- ・原因4:窓まわり・換気フード・配管の貫通部
- ・今すぐできる応急処置と、絶対にやってはいけないこと
- ・外壁塗装では雨漏りは止まりません
- ・まとめ
雨漏りは「落ちてきた場所」と「入った場所」が違う
最初に、雨漏りを考えるうえで一番大事なことをお伝えします。
水は、入った場所の真下に落ちてきません。
屋根裏に入った雨水は、屋根の下地(野地板)や梁の上を流れます。そして流れた先の、いちばん低いところ、あるいは釘やボルトなど伝いやすいものがある場所から、天井に落ちます。
その距離が数メートルになることもあります。 南側の部屋の天井にシミが出ているのに、入り口は北側の棟だった、ということが実際にあります。
ですから「シミの真上を直す」という考え方は、ほぼ通用しません。散水調査などで、水の道筋をたどる必要があります。
シミの出方で原因を絞り込む早見表
とはいえ、シミの出方には傾向があります。ご自宅の状況と照らし合わせてみてください。
| 症状の出方 | 疑わしい箇所 |
|---|---|
| 部屋の中央付近の天井にシミ | 屋根(瓦のずれ、棟、谷板) |
| 部屋のすみ・壁ぎわの天井にシミ | 屋根と外壁の取り合い、雨樋のあふれ |
| ベランダの下の部屋の天井 | ベランダの床の防水層 |
| 窓の上や横の壁が濡れる | 窓まわりのコーキング、サッシの取り付け部 |
| 壁の一部だけが縦に変色 | 外壁のひび割れ、目地のコーキング切れ |
| 台風や横殴りの雨のときだけ漏れる | 外壁・窓まわり・換気フードなど壁側 |
| しとしと降る雨でも漏れる | 屋根の穴・割れなど、上からの侵入 |

特に覚えておいていただきたいのが、最後の2行です。
「強い風のある雨のときだけ漏れる」なら、原因は壁側の可能性が高いです。横から吹きつけた雨だけが入るということは、上からの水では入らない構造だからです。屋根を直しても止まりません。
原因1:屋根(瓦のずれ・棟の浮き・谷板の穴)
やはり件数としては屋根が多くを占めます。その中でも多い3か所です。
棟(むね)のずれ・漆喰の崩れ
屋根のいちばん高い、水平になっている部分が棟です。瓦屋根の場合、ここは漆喰(しっくい)で瓦を固めています。
漆喰は20年ほどで崩れてきます。崩れると中の土が流れ出し、棟瓦がずれて隙間ができます。地上から見上げて、棟のラインが波打っていたら要注意です。
谷板(たにいた)の穴
屋根の面と面がV字に合わさる部分に入っている金属の板です。屋根の中でいちばん水が集まる場所なので、いちばん先に穴があきます。
昔の家は銅板が使われていることが多く、銅は酸性雨で30年ほどすると穴があきます。 瓦に隠れていて見えないため、気づかないまま進行します。
スレート屋根のひび割れ・釘の浮き
薄い板状のスレート屋根は、経年でひび割れます。また屋根材を留めている釘が熱で伸び縮みして浮き上がり、その穴から水が入ります。
屋根材ごとの判断については、姫路市の屋根塗装|費用相場・屋根材別の塗り替え時期・工法の選び方で詳しくまとめています。
原因2:ベランダの床(意外に多い第2位)
これが本当に多いです。そして見落とされがちです。
ベランダの床には、FRPやウレタンなどの防水層がつくられています。見た目はつるつるした塗膜ですが、これが雨をはじいて家の中への侵入を防いでいます。
この防水層は、10年前後で寿命が来ます。 紫外線と、人が歩く摩耗と、夏の熱でいちばん過酷な環境に置かれているからです。
ベランダで確認していただきたい3点
- 床の表面に細かいひび割れが出ていないか(防水層の劣化サインです)
- 排水口(ドレン)に土や落ち葉が詰まっていないか(詰まると水位が上がり、防水層の立ち上がりを越えます)
- 床と壁の境目に切れ目がないか(ここの処理が弱点になります)
排水口の詰まりは、ご自身で取り除くだけで雨漏りが止まることもあります。 費用がかからない対策なので、まずここを見てください。
原因3:外壁のひび割れとコーキングの切れ
外壁のひび割れ(クラック)は、幅によって危険度が変わります。
| 幅 | 呼び方 | 雨漏りの危険 |
|---|---|---|
| 0.3mm未満 | ヘアークラック | 低い。塗装で対応できる |
| 0.3mm以上 | 構造クラック | 高い。下地まで水が届く |
| 幅が広く奥が見える | 貫通クラック | すでに水が入っている |
判断の目安は0.3mmです。はがき1枚の厚みが約0.2mmなので、はがきの角が入るひび割れは要注意と覚えてください。
詳しい見分け方は外壁のひび割れ|0.3mmが分かれ目になる理由と補修方法をご覧ください。
もうひとつがコーキングです。サイディングの板と板の間、窓のまわりに入っているゴム状の充填材です。これが切れたり、はがれたり、肉痩せして薄くなると、そこが雨の入り口になります。
コーキングの寿命と工法についてはコーキングの打ち替えと増し打ち|どちらを選ぶべきかでまとめています。
原因4:窓まわり・換気フード・配管の貫通部
外壁には、必ず穴があいています。
- 窓のサッシ
- 換気扇の排気フード
- エアコンの配管を通す穴(スリーブ)
- 給湯器の配管
- テレビアンテナやエアコンの架台のビス穴
これらはすべて防水のつなぎ目です。そしてつなぎ目は、平らな面よりも弱い。
特に多いのがエアコンの配管穴です。後から工事であけた穴は、本来、外側が下がる勾配をつけて、パテで隙間を埋めます。この処理が甘いと、台風のときに水が入ります。
台風のあとだけ、エアコンの下の壁紙が湿る。そういう症状があれば、まずここを疑ってください。
今すぐできる応急処置と、絶対にやってはいけないこと
やっていただきたい応急処置
- バケツと雑巾で水を受ける。 バケツの中に雑巾を入れると、跳ね返りと音が抑えられます
- 家財を移動させ、ブルーシートで覆う
- シミの位置と大きさを写真に撮り、日付を記録する。 どんな雨のときに漏ったかもメモしてください。これが原因究明にそのまま使えます
- ベランダの排水口を掃除する
- 濡れた箇所の近くのコンセントは使わない
写真と日付の記録は、プロが見ても大きな手がかりになります。「南風の強い雨のときだけ」という一言で、調べる場所が半分に絞れることがあります。
絶対にやってはいけないこと
雨の日や雨上がりに、ご自身で屋根に上がらないでください。
これは強くお願いしたいことです。濡れた屋根は、想像以上に滑ります。特にスレートや金属屋根は、傾斜がゆるく見えても足が流れます。毎年、転落事故で命を落とされる方がおられます。
また、ご自身でコーキングを塗り込むのも避けてください。 外壁には水を外へ逃がすための隙間が意図的に設けられています。そこをふさぐと、入った水が出られなくなり、かえって雨漏りが悪化します。
応急処置は室内側だけ。外は専門業者にお任せください。
外壁塗装では雨漏りは止まりません
塗装屋がこう書くのは不思議に思われるかもしれませんが、大事な話です。
塗料は防水材ではありません。 塗膜の厚みは、乾いた状態で0.1mm前後しかありません。この膜で、すでに空いている穴やひび割れをふさぐことはできません。
外壁塗装の役割は、外壁材そのものが雨水を吸って傷むのを防ぐことです。つまり雨漏りの予防です。すでに起きている雨漏りを止める工事ではありません。
雨漏りが起きている場合に必要なのは、この順番です。
- 原因の特定(目視点検、散水調査)
- 原因箇所の補修(屋根の修理、防水工事、コーキングの打ち替えなど)
- 雨が止まったことの確認
- そのうえで外壁塗装
もし「雨漏りしています」とお伝えしたのに、調査もせずに外壁塗装の見積もりだけが出てきたら、その業者には任せないほうがよいと考えます。
まとめ
- 雨水は入った場所の真下に落ちない。数メートル流れることもある
- 風の強い雨のときだけ漏れるなら、原因は壁側の可能性が高い
- しとしと降る雨でも漏れるなら、屋根からの侵入が疑われる
- 屋根で多いのは、棟の漆喰の崩れ、谷板の穴、スレートのひび割れと釘の浮き
- ベランダの床の防水層は10年前後で寿命。排水口の詰まりだけで漏ることもある
- ひび割れは0.3mmが分かれ目。はがきの角が入るものは要注意
- エアコンの配管穴は、後からあけた穴ほど雨漏りの原因になりやすい
- 応急処置は室内側だけ。濡れた屋根に上がるのは危険です
- ご自身でコーキングを塗り込むと、水の逃げ道をふさいで悪化することがある
- 外壁塗装は雨漏りの「予防」。すでに漏れている場合はまず原因の補修が必要
次にやるべきことは、たった1つです。シミの写真を撮って、日付と天気をメモしましょう。
今日からできることとして、ベランダの排水口を見てください。土や落ち葉が溜まっていたら、取り除いてください。それだけで止まる雨漏りもあります。
雨漏りでお困りのことは、姫路市の塗り替えの窓口・パワーペイントにお任せください。原因の調査から承っています。無料点検・お見積もりをどうぞご利用ください。
用語の解説
- 棟(むね):屋根のいちばん高い部分で、屋根面と屋根面が合わさる水平のライン。瓦屋根では漆喰で固めています
- 漆喰(しっくい):石灰を主な材料とした白い固着材。瓦を固定し、隙間をふさぐ役割があります。20年前後で崩れてきます
- 谷板(たにいた):屋根面がV字に合わさる部分に入っている金属の板。水が集まるため、屋根の中でもっとも傷みやすい場所です
- 防水層:ベランダや屋上の床につくられた、水を通さない膜。FRP防水やウレタン防水などがあり、10年前後で改修が必要です
- ドレン:ベランダや屋上の排水口。詰まると水位が上がり、防水層を越えて雨漏りにつながります
- 散水調査:疑わしい箇所に順番に水をかけ、漏水が再現されるかを確認する調査方法。雨漏りの原因特定でもっとも確実な方法です
- スリーブ:エアコンの配管などを通すために外壁にあけた穴、およびそこに入れる筒。外側へ下がる勾配と隙間の処理が必要です
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